介護を一般に開放しまったのがそもそもの失敗
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 診療報酬は激減で、病院も診療所ももう経営的にヘトヘトだ。

 医療がヘトヘトだと、国民もヘトヘトになる。

 実際に介護でヘトヘトだ。

 国民も医療もなんでヘトヘトになったのかと言うと、そもそもが、介護保険が成立したころに遡る。

 あの当時、自由化だ、規制緩和だ、と、良いことばかり抜かして、本来なら、医師のやるべきことを、資格なしでも出来るようにすることが流行った。それが進歩的なことだと思われた。思わすように仕向けられた。

 だれに。当時の政府自民党に。もっと言えば、財界にである。

 介護の分野に財界は参加できるようになり、彼らにしてみれば新たな儲け話がひとつできたというわけである。

 こっけいなことに、国民の中でも、介護ビジネスに参入すれば、一儲けが出来るのではないかと言う人もいたようである。しかし、ダメだった。ノウハウも資金力もない人はダメである。

 金儲けの話ばかりで介護と言う制度が出来上がったが、所詮、介護は医療と不可分である。

 財界の人が、老人マンションを作ったって、そこにいる老人が死にそうになれば、大慌てで、救急病院に担ぎ込むことしかできない。素人だからしょうがない。

 もし、老人マンションだって、医師でなければ建てられない、としたら、昔の療養病床のように、そこでゆったりと看取れたのである。救急外来に天寿を全うしようとしている90歳の爺さん、ばあさんを担ぎ込むような愚かなことは起こらなかった。救急外来の疲弊もこれほどではなかっただろう。

 また、今、病院も医院も経営面で疲弊の極みにある。

 これが介護を病院に任せてくれたら、より安いお金で,今よりももっと運営できたはずである。

 ワタミは、従業員をメチャクチャこき使うブラック企業に名を連ねているが、このようなワタミみたいなところでも、介護ビジネスに参入している。このようなカネのことしか考えていない、会社が営利目的で、老人介護をやる。どのようなモノになるかは推して知るべしであろう。

 病院を経営している医師だって、人間だから、カネがあったら、ベンツなどの外車を買う人だっているさ。でも、医療人というものは、お金があれば、医療に投資しようという発想しかない。MRIを買ったり、病院の設備を拡充したりする。つまり、医療で得たお金を医療に再投資する。医療の中でお金が回る。

 すると医療が充実するのである。

 民間、財界、まあ、ワタミみたいなところが介護でお金を得たって、彼らが医療に投資しますか、しないでしょう.他に自分でやっている、居酒屋とか建設業とかに、得たお金を使います。

 医療には再投資されません。つまり、医療に回るお金が少なくなり、医療が廃れます。

 今の日本の現況です。

蠅太郎の新たな決意

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