古見ぬ浦 解説
西表島の東部の古見という村の唄です。
1713年に与那国島からの船で石垣島に帰る途中の大宜味長稔という役人が、船が難破し、ここ西表島古見に流れ着きました。
ここで村人たちの手厚い介抱を受けたそうです。
今ならすぐに電話で石垣島の役場に連絡。介抱が一段落ついた所で、石垣島に戻るようなものですが、当時は、そのような連絡手段もなく、2−3年滞在を余儀なくされたそうです。
そのときに、この村のブナレーマと言う女性と恋に落ちました。
別れの時の、生木を裂かれるような辛い思いを唄にしたものです。
古見の浦の美しい八重岳(やいだき)の山々を私は忘れない。
桜の花のような、梅の花のような、愛しいブナレーマよ。あなたと、一つに染まって行った日々をどうして忘れることができようか。
という唄です。