国民皆保険を守るということ

 安倍総理がTPP参加を表明してから、この話題で騒がしい。

 安倍総理と、甘利TPP担当相はことあるごとに、農業は守る、皆保険は守る、と言っているが、私はできないと思いますね。

 国民皆保険を守る、ということは、絵にも描いたけど、以下の3条件を守ると言う事。彼らがよく言う、「3本の矢」です。

 1)混合診療の解禁はダメ

 2)薬価、医療器械の価格は国が決める

 3)株式会社や営利企業の医療への参入は認めない

 これらが必要だ。これは守られるのか。

 これを守らないで、国民皆保険をも守る事は出来ない。これは、みんなぜひ知っておきましょう。

 健康保険証があるから、国民皆保険を守った、と言う事にはなりません。

 このことは、幸い、自民党の議員さんならだれでも知っているはずです。もちろん、総理も知ってる。

 なぜなら、自民党の先の衆院選の選挙公約なのです。

 そのなかに、TPPに対する自民党の考え方が明記されております。非常に立派です。

 ISD条項の何たるかさえ知っているのか、知らないのか、知らないフリをしていたのか、わからないミンスとはすごい違いだな、と思っていました。

 非常に立派なので、一応、下に書いておきます。


政権公約に記された6項目関連


 (1)農林水産品における関税=コメ、麦、牛肉、乳製品、砂糖等の農林水産物の重要品目が、引き続き再生産可能となるよう除外または再協議の対象となること

 (2)自動車等の安全基準、環境基準、数値目標等=自動車における排ガス規制、安全基準認証、税制、軽自動車優遇等のわが国固有の安全基準、環境基準等を損なわないこと、および自由貿易の理念に反する工業製品の数値目標は受け入れないこと

 (3)国民皆保険、公的薬価制度=公的な医療給付範囲を維持すること。医療機関経営への営利企業参入、混合診療の全面解禁を許さないこと。公的薬価算定の仕組みを改悪しないこと

 (4)食の安全安心の基準=残留農薬・食品添加物の基準、遺伝子組み換え食品の表示義務、輸入原材料の原産地表示、BSE(牛海綿状脳症)基準等において、食の安全安心が損なわれないこと

 (5)ISD(投資者・国家訴訟制度)条項=国の主権を損なうISD条項は合意しないこと

 (6)政府調達・金融サービス業=政府調達および、かんぽ、郵貯、共済等の金融サービス等の在り方についてはわが国の特性を踏まえること


 これを踏まえて、安倍が、「表明」する2日前に、自民党で決議文を作り、それを安倍総理に翌日、手渡している。詳しく説明をした上でだ。

 これを守らなければ、国民との約束を果たした事にはならない。

 うーん。交渉はうまくいかないと思うよ。

 だから、今日(平成25年3月18日)の国会答弁を聞いていても「農業は守る」しか言わない。

 バカバカしくて、この手の記事は新聞も斜め読み、テレビは気分が悪いので消すことにしている。中身がないから。

 TPP 条約批准の際には、願わくば、党議拘束をかけずにやってもらいたいと思うね。自民党の議員団、バカではない。

 240人くらいが、TPPに反対か、慎重。賛成は30人程。

 党議拘束をかける前に、納得のいく説明をするべきだろうね。そのためには、TPPが、先の公約にかなっていないといけない。

 もっと、願わくは、非常にこれは日本にとって大きな問題だから、国民投票をすべきだろうね。

 そこまで、踏み込んで今のうちから言ってくれないと、まったく安倍さんのいうことなど、聞く気になれないし、信用もしない。

 こんなことで、我が国の安全保障を左右するような、憲法改正という大仕事が本当に彼にできるのかい?

 

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