よくある質問

1) 診療報酬は削減されているのに、我々は、このままで良いのか。国民皆保険を堅持する、と言ったって、そこで決まる診療報酬がどんどん減額されているのに、それを死守することは、座して死を待つのみ、ということにならないか。そうであれば、新たな可能性を求めて混合診療に踏み込んでも良いのではないか。

 【私の思う所】 混合診療になったからと言って、我々医療機関が潤う訳ではないと思います。逆に我々医療者も医療を受け立場になると、お金がかかる訳ですから、余計に苦しくなると思います。

 医療制度としては、皆保険が、混合診療よりずっと優れている、と思います。

 医療経済学的見地からみても、医療費の高騰を抑える働きが皆保険では働くので優れていると思います。

 また、「応招義務」というものもあります。患者の要望があれば、医師は、診療しなくてはいけない、というものです.混合診療になってもこれは残ります。混合診療になれば、今以上にひどい不払いが増える、ということも考慮に入れておく必要があります。


2) ある意味で、すでに混合診療は事実上、解禁されているのではないだろうか?  というのは、例えば円山ワクチンのように、患者さんが持って来て、注射してくれ、というケースがある。今でも、例えば癌の患者さんがインターネットで「これは効く」と聞いた薬を手に入れて来て、医師に注射や点滴を頼むケースがあるという。やはり、懇願されるとしてあげたりすることもあろう。

 あと、特殊なレーザー治療など、皆保険を使用する日の別の日なら「可」とか、カルテを新しく作って行なうと「可」とか、いろいろな縛りはあるのだが、行なわれている。このようなことをどう考えるべきなのか?

 

【私の思う所】 確かにそういう事例はあります。しかし、公に、混合診療解禁と言うのと、とにかく、今のように、混合診療は認めない としているのでは、大きな違いがあると思います。

 とにかく今は、レーザー治療も円山ワクチンも、その患者さんが手に入れて来た「抗癌剤」というものにしても、医療というものが、医師と患者の「手の中」にあります。しかし、混合診療解禁が公になれば、保険会社がこの中に参入してきて、医療が、患者は医師の間から離れて行くことになると思います。これが大きな違いです。

 

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