鎔鑛の火は消えたり:大正時代、大正デモクラシーの潮流がうねる社会の激変の中で、社会運動も活発になっていく。1920年の2月から3月にかけて福岡県の八幡製鉄所で大規模な争議が発生。このことを記したものが、「鎔鑛の火は消えたり」(浅原健三 著)。その書の表表紙がこの漫画のポスターである。

 現在の、麻酔科医不足が顕著になりつつあり、大学病院でも麻酔科医が不足し、自院の手術のためにアルバイトの出張麻酔医を呼ばなければならないことも珍しいことではなくなった。漫画では「溶鑛の火は消えたり」を「ザール(手術場)の無影灯は消えたり」と、もじってみた。

 ここで、注目したいのは、この「鎔鑛の火は消えたり」争議の時、八幡製鉄所の一職工の田中熊吉は、鎔鉱炉はストップしても、送風しその火を埋もれ火にしておいたため、争議終了後、すぐに八幡製鉄所は再開することが出来たのである。という、話も併せて付け加えておく。

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